印刷機で色をあわせるってどうするの?

春ですね。新人社員の季節です。今回は基本にたちかえってオフセット印刷機で色をあわせるためにどうしているかについて解説したいと思います。
印刷立ち合いにこられる前にご参照ください。

「印刷機で色をあわせる」ためにできることはただひとつ「インキの盛り量を増減させる」
たったこれだけです。 でも、それによって大きく色が変わるのです。不思議ですね。

印刷機

この写真が印刷機の色をコントロールしている台です。 赤い丸をつけたところに上下のボタンがあります。
上を押すとその場所のインキの盛り量が増えます。 すると、それに対応する場所の印刷が濃くなります。
今回でいうと紙面上の青で囲んでいるところです。
反対に濃度を下げたければ、下を押せばいいわけです。
場所は、全部で30分割されています。

最初は標準で刷りますが、お客様のご要望やターゲット色に応じて各色・各場所の濃度を上げ下げしていきます。

ここで注意してほしいのは、インキの濃度をあげると縦方向(流れ方向)全体にインキが濃くなることです。
「この人の顔色だけ赤くして」といわれても、印刷機での調整はなかなか難しいのです。

さらに付け加えますと、同じインキ盛り量に設定したところで必ずしも同じ色がでないところが、印刷機のアナログなところです。

当日の温湿度、ブランケットの具合、機械のあったまり具合など、いろいろな要素がからみあって実際に紙に印刷してみると色が毎回微妙に変わってきます。

もちろん標準化できるように環境・機械の整備をしっかりとしております。
しかし結局は、最後に色調整するのは、熟練の技になってくるのが印刷の面白いところでもあり、たいへんなところです。

 最後に一言。あまり印刷機上で色をいじりたおすのはお勧めしません。
バランスが崩れて量産時に苦労するからです。 できましたら、データから色をなおして版を作り直しましょう。
といっても時間がなくて、そうもいってられないことも多々あるのですが・・

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