ラベルを使う、だからこそ ラベル資源循環プロジェクト

資源循環プロジェクトとは??

シールやラベルについている
剥離紙をリサイクル可能な専用台紙に置き換えようというプロジェクト

剥離紙は特殊なコーティングが施されている為、リサイクルが難しく通常は燃焼・廃棄されています。

問題提起

年に13.9億㎡の廃棄物「剥離紙」

「剥離紙」とは、ラベルが様々な製品に貼られる直前まで使用されている、ラベル台紙のこと。

ラベルの製造・使用するにあたり必要不可欠な台紙「剥離紙」は、その必要性とは裏腹にリサイクルができず、消費者には見えない廃棄物として毎日大量に廃棄・焼却され続けてきました。

その量は、国内製造業全体で年間13.9億㎡に上り※、東京ドーム約30,000個分となります。

SDGsやカーボンニュートラルへの流れが世界的に加速する中、「剥離紙の廃棄量を減らしたい」「剥離紙をリサイクルしたい」というラベルユーザーの声が非常に高まっています。

※ラベル新聞社発行「日本のラベル市場2022」から算出

なぜ剥離紙はリサイクルできないのか?

「剥離紙」は紙の表面にシリコーンやポリエチレンといった樹脂がコーティングされている性質上、紙と樹脂が分離できずリサイクルが困難です。

その為、やむを得ず廃棄・焼却※されています。

※固形燃料化などの熱回収を含む

ラベルは無くてはならない大切なもの

スーパーやドラックストアで、ラベルやパッケージを見て商品を選ぶことが多いように、ラベルは私たちに商品の魅力を伝えてくれます。

また飲食料品や日用品のみならず、電化製品や工業製品、電車やバスのドアなどで事故を未然に防ぐため、注意喚起をする役割もになっています。

商品の安心・安全、魅力を伝えるラベルは、私たちにとって無くてはならない大切なものです。

「ラベルを使う、だからこそ。」材料メーカー、印刷会社、ユーザーなど、サプライチェーンに関わる全ての企業が一緒になって、持続可能な循環型のリサイクルスキームを確立し、廃棄物・CO₂排出の削減に取り組む必要があります。

 

 

3Rからサーキュラーエコノミーへ

サーキュラーエコノミーとは、これまで経済循環活動のなかで廃棄されていた製品や原材料などを「資源」として循環させ、設計段階から廃棄物を発生させないという考えを軸にした経済システムのこと。

3Rではできるだけ廃棄物を出さないようにすることや、再利用を行いますが、少なからず廃棄物が出ることを前提にしています。

サーキュラーエコノミーは、「廃棄物自体を発生させない」という考えが軸になっていることから、環境省の指針においても最も環境価値が高い取り組みとされ、今後の日本経済が目指す姿と位置付けられています。

 

解決策

ラベル台紙をリサイクル専用品に置き換える「資源循環プロジェクト」

資源循環プロジェクトだからできる「ラベル台紙の水平リサイクル*」

「剥離紙」をマテリアルリサイクル*¹可能な素材で設計された「リサイクル専用台紙」に置き換えれば、使用済みのラベル台紙をユーザー様から有価回収できます。
マテリアルリサイクルした回収材料を、再び「リサイクル専用台紙」の原料にすることで、資源として循環する「水平リサイクル」スキームが確立しています。

* 使用済みの製品を、同じ用途に使うためにリサイクルする手法
*¹  廃プラスチック類の廃棄物を、粉砕・溶解などの処理を行った後に、同様な用途の原材料として再生するリサイクル

<水平リサイクルの重要性>

高度な資源循環を確立するためには「再び同じものに戻すこと」が大切です。
品質向上とコスト合理化を徹底し、再びラベル台紙に戻すスキームを通して、廃棄物発生量並びにCO₂排出量の最小化に取り組みます。

ラベル台紙を変えるだけ

お客様にお願いしたいことは、ラベル台紙を
「リサイクル専用台紙」に変えていただくだけ。
ご参画の条件は非常にシンプルです。
「リサイクル専用台紙」は、従来のラベル台紙と同じように使っていただける設計で、抜き加工テスト、ラベラーテストなど従来品と同条件で使用できることが実証済みです。

環境配慮とコストの両立

従来の剥離紙と同価格帯

 

環境配慮はコストが上がるというイメージを払拭し、その両立を図っています。「リサイクル専用台紙」で設計したラベルは、従来の剥離紙で設計したラベルと同コスト帯で販売しています。※

※日榮新化製品比(片面シリコーン・片面ポリエチレンタイプの剥離紙を使用した製品と比較

使用済み台紙は有価回収

使用済み「リサイクル専用台紙」は、資源として有価回収し、回収費用も原則ユーザー様の実費負担はありません。従来、産業廃棄物としてお金を払って処理していたラベル台紙を資源として販売いただけます。

東洋紡「カミシャイン®」をベースに設計

PET ボトルリサイクル原料使用の素材

「カミシャイン®」は、PET ボトルリサイクル原料を25% 以上使用している環境に配慮した素材で、「リサイクル専用台紙」はこの素材をベースに設計しています。一般的なPET フィルムと比べて、比重を1.4 から1.0 に軽量化し、リデュースにも貢献。
紙とフィルムの特性を併せ持ち、かつ環境に配慮した本プロジェクトに最適な材料です。

参画

ラベル台紙の循環型リサイクルスキームを確立しています。

動脈産業と静脈産業の機能を確立することで、循環型水平リサイクルスキームを実現しています。

弊社独自の小ロット回収スキーム <オリジナルサイズの回収ボックス>

基本的に回収ボックスは300㎏用のみとなりますが
弊社では少量からでも取り組めるように30㎏用の回収ボックスをご用意しております。

剝離紙リサイクル回収ボックス

回収スキーム

リサイクル専用台紙でつくるメリット

1.クリーンルームでの製造

剥離紙をリサイクル専用台紙に置き換える事で、最高クラス1000のクリーンルームで加工する事が可能になります。

医薬品や食品、工業用途など、特に異物管理が厳しい用途にも最適です。

2.意匠性向上

リサイクル専用台紙は、剥離紙に比べ大幅に表面の平滑性が向上します。

その影響で、粘着層も平滑になり、結果として印刷面まで大変綺麗な仕上がりになります。

3.コンパクト化

リサイクル専用台紙は、剥離紙より厚みが薄く、同等以上の強度を発揮します。
そのため、同じ巻径で多くのラベルを巻き取ることができ、お客様の生産効率向上に寄与します。

4.反りの軽減

リサイクル専用台紙は剥離紙のように水分を吸収しません。
そのため、吸湿・放湿によるカールを大幅に低減します。

環境価値を追求したラベル ~エコマスラベル~

リサイクル原料を含むフィルムとバイオマス粘着剤を使用することで、CO₂排出量を削減。平滑性が高い接着コートにより、クリーンな印刷の仕上がりが期待できます。

またエコマスラベルの粘着剤は、バイオマスマークを取得しています。

エコマスラベル