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シールやラベルについている剥離紙をリサイクル可能な資源に置き換えようというプロジェクト
剝離紙は特殊なコーティングを施されている為、リサイクルが難しく通常は廃棄されています。
「剥離紙」とは、ラベルが様々な製品に貼られる直前まで使用されてる、ラベル台紙のこと。ラベルの製造・使用するにあたり必要不可欠な台紙「剥離紙」は、その必要性とは裏腹にリサイクルができず、消費者には見えない廃棄物として毎日大量に生まれ焼却廃棄され続けてきました。
その量は、国内製造全体で月間1.16億㎡に上り※、年間数量は日本列島の面積の3倍以上となります。
SDGsやサーキュラーエコノミーへの流れが世界的に加速する中、「剝離紙の廃棄量を減らしたい」「剝離紙をリサイクルしたい」というユーザーの声が非常に高まっています。
※ラベル新聞社発行「日本のラベル市場2021」から算出
「剝離紙」は紙の表面にシリコーンやポリエチレンといった樹脂がコーティングされている性質上、紙と樹脂が分離できずリサイクルが困難です。
その為、「やむを得ないごみ」として、燃焼廃棄されています。※
※固形燃料化含む
スーパーやドラックストアで、ラベルやパッケージを見て商品を選ぶことが多いように、ラベルは私たちに商品の魅力を伝えてくれます。また飲食料品や日用品のみならず、電化製品や工業製品、電車やバスのドアなどで事故を未然に防ぐため、注意喚起をする役割もになっています。商品の安全・安心を伝えるラベルは、私たちにとって無くてはならない大切なものです。「ラベルを使う、だからこそ。」材料メーカー、印刷会社、ユーザーなど、サプライチェーンに関わる全ての企業が一緒になって、持続可能な循環型のリサイクルスキームを確立し、広げ、共に支え合う必要があります。
サーキュラーエコノミーとは、これまで経済循環活動のなかで廃棄されていた製品や原材料などを「資源」として循環させ、廃棄物を発生させないという考えを軸にした経済システムのこと。
3Rではできるだけ廃棄物を出さないようにすることや、再利用を行いますが、少なからず廃棄物が出ることを前提にしています。
サーキュラーエコノミーは、「廃棄物自体を発生させない」という考えが軸になっていることから、環境省の指針においても最も環境価値が高い取り組みとされ、今後の日本経済が目指す姿と位置付けられています。
「剥離紙」をエコな素材で設計された「専用剥離フィルム」に置き換えることで、使用済みのラベル台紙をユーザーから回収し、リサイクルすることが可能になりました。
リサイクルした材料は、再び専用剥離フィルムの原料に使用され、ゴミを生まず、資源が循環する仕組みが整っています。
ラベル台紙は「PET合成紙」を使用した「専用剥離フィルム」に生まれ変わりました。
ラベルユーザーさまで発生する専用剝離フィルムを資源として購入し、再び剝離フィルムの原料にすることで循環型水平リサイクルのスキームを確立します。
お客様に変えていただくものは、「ラベル台紙」だけ。
ご参画の条件は非常にシンプルです。
専用剝離フィルムは、従来のラベル台紙と同じように使っていただける設計で、抜き加工テスト、ラベラーテストなども従来品と同条件で使用できることが実証済みです。
専用剝離フィルムで設計したラベルは、従来の剝離紙で設計したラベルと同コスト帯で販売しています。※原紙メーカーでの製品比較使用済みの専用剝離フィルムは、原紙メーカーが資源として20円/㎏で買い取ります。
回収費用も原則ユーザー様の実費負担はありません。従来、産業廃棄物としてお金を払って処理していたラベル台紙を資源として販売いただけます。
専用剝離フィルムは、東洋紡「カミシャインⓇ」をベースに設計されています。自治体で回収されたPETボトル25%以上含まれた環境に優しいリサイクル設計です。さらに通常のPETフィルムの比重が1.4のところ、比重1.0に軽量化しており、リデュースにも貢献します。紙の特性とフィルムの特性を持ち合わせ、なおかつ環境に配慮しており、本プロジェクトには欠かせない材料です。
動脈産業と静脈産業の機能を確立することで、循環型水平リサイクルスキームを実現しています。
剥離紙を剥離フィルムに置き換える事で、最高クラス1000のクリーンルームで加工する事が可能になります。
医薬品や食品、工業用途など、特に異物管理が厳しい用途にも最適です。
専用剥離フィルムは、剥離紙に比べ大幅に表面の平滑性が向上します。
その影響で、粘着層も平滑になり、結果として印刷面まで大変綺麗な仕上がりになります。
専用剥離フィルムは、剥離紙より厚みが薄く、同等以上の強度を発揮します。そのため、同じ巻径で多くのラベルを巻き取ることができ、お客様の生産効率向上に寄与します。
剥離フィルムは剥離紙のように水分を吸収しません。そのため、吸湿・放湿によるカールを大幅に低減します。
リサイクル原料を含むフィルムを使用することで、約25%のCO2削減を実現。平滑性が高い接着コートにより、クリーンな印刷の仕上がりが期待できます。
またエコマスラベルの粘着剤は、バイオマスマークを取得しています。