医薬品チームブログ
印刷関連

画像検査機は何mmまでの汚れを見つけられるのか?

投稿日:2019.02.25

更新日:2022.08.01


当社の医薬品包材用の印刷機には基本的には画像検査機がついておりまして
マスター画像と刷られたものとがマッチしているか?
汚れ等がないか?
など全数検査しています。

画像検査機とはこんな感じのものです。

P1010928

_MG_3579

画像検査機に関してお客様から尋ねられることが多いのが、この検査機は何mmの汚れまで検知できるの?という質問です。

実は突き詰めるとこれに正確にお答えするのは非常に難しいです。
「条件によって」としかいえません。

「(例えば)0.1mmの汚れも見つけます!」という答え方がわかりやすくて喜ばれるのかもしれません。
しかしこれは「0.1mmの汚れ見つける」と曲解させる答え方であまり誠実とはいえません。

 

「0.1mmの汚れ見つける」の意味は、条件がよければ0.1mmの汚れをみつけることができる、という意味です。

「0.1mmの汚れ見つける」は、どのような悪条件でも0.1mmの汚れを見つけることができるという意味です。

 

この2つには天と地ほどの大きな違いがあります。まさに言葉のマジックですね。
この言葉のマジックに騙されているお客様を何人かみたことがあります。

   

画像検査機の検知の仕組みを簡単にご説明しますと以下のようになります。

kensa_1

 

同じ場所・同じ形の汚れでも薄めの色でしたら、濃度の評価が変わり、検知しない場合もあります。

kensa_2

 

また、同じ大きさ同じ濃さの色でも、場所が少し(半ピクセル分)ずれているだけで、濃度の評価が変わり検知する/しないかがまた変わる可能性があります。

kensa_3

     

また、近くに文字があるかどうかで、検知の精度も大きく変わってきます。

例えば「目」という文字の中に汚れがつくと、検知はなかなか難しいです。
その汚れが本来の「目」という文字なのか?汚れなのか?カメラで区別するのが難しいからです。

このような汚れに対してどう検知させるか、また誤検知を減らすかが画像検査機メーカーと我々印刷業者の腕の見せ所です。
最近はAI機能搭載の検査機もでてきましたね。

 

以上より、一概に「何mmまでの汚れをみつけられますか?」と聞かれても答えづらいというのがご理解いただけたかと思います。

画像検査機の設定についてはお答えできますので、そちらで回答させてもらうようにしております。
ご興味のある方は当社工場ご見学の際などにご遠慮なくお尋ねください。