2022.11.28
ウナギの寝床
こんにちは、紙箱設計担当Mです。
今年も残すところあとひと月少々という時期にコロナの感染者数もじわじわ増えてきて、
また年末年始に合わせて爆発的に増えるのかとひやひやしています。
今回は時々ある中間箱のご要望についてお話したいと思います。
例えば上図のようなものを収める中箱を作るとします。
ポピュラーなのは横向きに収納するこのような形状ですが、
ときには取り出す際に小箱の正面デザインが目立つよう前後に並べて収めるようにとの注文をいただきます。
ワンタッチ箱で。
その場合、通常このように天面を右から数えて四面目の配置するのですが、
ごくまれにデザインの都合上一番右の面に天面を持ってきてとの注文をいただきます。
ワンタッチ箱で。
お客様のイメージとしてはこんな形でしょうか。
残念ながら設計上無理とお断りしています。
なぜ無理なのか順を追って説明します。
通常ワンタッチ箱は向かい合う面の底をセンターでかみ合わせることで支えています。
組立寸法から導き出される底の形状にはある程度の決まりがあります。
それを踏まえたうえでお客様の注文に沿った
”一番右の面に天面を配置したワンタッチ箱”を形にしようとすると……
こんなことになってしまいます。
正面巾より奥行のほうが長いためセンターのかみ合わせがおかしくなってしまいました。
それなら斜めの折罫を45度でなく変えてはどうかと問われたこともありますが、
45度以外で折ると畳めなくなりワンタッチ箱でやる意味がなくなります。
というわけでワンタッチ箱では正面と側面は同じか正面のほうが側面より広くないと成立しなくなります。
デザイン上どうしても正面巾より奥行を長くしたいのであれば天面を四面目に持ってくるしかないのです。