2022.09.28
紙箱と紙目の関係性について
こんにちは設計のKです。
ようやくコロナも終息に向かいつつあるようですが早くマスクをはずして旅行を楽しみたいものです。
今回は紙箱と紙目の関係性についてお話したいと思います。
紙目とは紙繊維の流れの向きの事を言います。
紙は抄造して作る際、製造の流れていく方向に向かって繊維が揃う為、紙目が生じます。
紙目は水で濡らすと反りが発生して向きが分かるはずなので紙片で実験してみましょう。
矢印の向きに目が入っています。上の紙片はS字状に反り、
下のは逆カマボコ型に反りましたので紙目を可視化できた事が分かります。
見た目には見えないですが設計においても常に紙目を意識しています。
理由は強度UPと糊付けする製函時の不良低減です。
罫線に対する紙目で強度がどのように変わるかこれまた実験してみましょう。
簡単なスリーブを作って乾電池を載せて比べてみます。
<写真1>
<写真2>
主要な罫線に対して水平な紙目<写真1>ではもう少しでへしゃげそうな位たわんでいますね。
対して罫線直角紙目の<写真2>ではへしゃげつつも何とか持ちこたえそうです。
製函時でも糊代に対して直角に紙目が入っていないと罫線がシャッキッと折れず
平行に貼れなくなることが起こります。
段ボールの段目も同じで皆さんも折りたいラインで折れずに段目で折れてイライラした思いをされたことは
無いでしょうか?あれと同じことが板紙でも発生するのです。
もし紙箱の設計図を見られる機会があればどこかに紙目の指定が入っていると思いますよ。
ちなみにPPやPETの樹脂素材には紙目は存在しません。繊維の集合体でないからです。
それではまた。これからも素朴な実験で箱の「なぜ?」に迫りたいと思います。